もちもちの猫のほつれた右手

だいたい付き合っているヒモの話 不定期更新

浮世メモをまたはじめようかなあと思う

高校の時、読解アヘンというサイトをよく見ていた。

 堀さんと宮村くんという漫画がもともと掲載されているのはこの個人サイトで、永遠に読んでいた。今見たら500話をとうに超えていた。全話読み終わる頃にはどっかの話を忘れているのでまた最初から読み直していた。トリ頭なのかもしれない。

  堀さんと宮村くんは、高校生男女の様々な友情や恋愛を描きつつギャグやシリアスをやる縦長の漫画*1で、本編は100話ちょいで終わり、その後ギャグ調のおまけ漫画が500話を超えている。

 堀宮*2は、学校ではギャルだけど家では家庭的な女の子堀さんと、学校では根暗のオタクみたいなのに実はピアスとかあきまくりの宮村くんたちを巡る学校生活の話なんだけど、そこはかとなく高校特有のマイナス部分とそれを取り繕って普段通りに生きる姿がよいので読んだことない人はぜひに。普通に声に出して笑っちゃうので移動中に読まないように。

この宮村と仙石*3のせいでがりがりの男の子が好きという私の性癖がさらに育てられたと言っても過言ではない……

で、堀宮はたしかに面白いのだけど、作者は同じくサイトに載せている短編漫画がめちゃめちゃにうまかった。全部読んでお願い。なんとなくその中の一つ、「浮世メモの夢に、鬼」という作品を思い出したので感想をちょっとだけ書く。

以下ネタバレだらけ。

 

要約。

主人公の星野はふとしたきっかけで夢日記を書く。読み直すと面白かったので、夢を思い出せないことがなんだかしゃくになり、それを日課にするようになる。友達の水沢にそれがバレると、辞めるように促される。

 しかしどうにも辞められない。だんだんと現実と夢の区別がつかなくなってくる。メガネはストローの袋なんかでできてないし、保健室はジャングルがあるから行きたくないし、水沢って実はウサギなんじゃないっけ。

  具合が悪くなり保健室で眠る星野はそこで見た夢をどうしても書き留めたくて、腕にペンでぎっしりと夢の内容を書く。それを水沢にみつかり怒られ、星野は夢日記を書くのを辞める。星野の生活に平穏が戻ってくる。

 しかし、本当に夢日記を辞めなければならないのは水沢の方だった。執拗にやめるように促していたのは、水沢自身が毎日自分の夢日記を確認しないと区別がつかなくなっていたからだった。星野は親友、食べてはいけない。星野は親友食べてはいけない……。おわり。

 

 星野は母子家庭の男子高校生で、そのことは別に何ともおもっていないのだけど、ふとしたときに何か暗いものがのしかかるのである。彼がどうしても保健室で書き留めたかった夢は父親の夢であった。かなしくない、つらくない。すぐ謝る母に謝らないでと言えない。自分がシチューくらい作れることを言わない。

 ちょっとしたコミュニケーションエラーとか押し殺してなくなったはずの気持ちとかそういうのって積み重なって忘れていくんだけど、何かの瞬間にしわ寄せがくるんだと思う。それが魔法のように解決したからそれに頼ってみたけれど、結局その代償はあとからはらう羽目になるから、多用してはいけないのだ。家族だと余計にそうで、言わなくてもいいだろうと思って言わないせいで、理解されないことが多々ある気がするなあと最近思い始めた。家族が自分を理解してくれないとずっと思ってきたけれど、コミュニケーションを取る気がないからそりゃそうだと家をでる寸前にきがついた。

 僕はこの少し不気味な話がなぜか異様に好きで、高校時代から何度も読んでいる。夢日記を書いたことがあるからかもしれない。学校に通っていた頃とかはほとんど学校に行く夢や友達と話す夢ばかり見ていたので、夢日記を書けば本当に区別がつかなくなっていた。一度友達同士で集まった時に、友達が夢で話した内容を現実で話したと勘違いして、そういえばこの前あんな話してたよね~と持ち出して引かれたことがある。マジで冷や汗かいた。そのあとにこの話を読んだので、夢日記やめようと思ってやめた。

たまにまたはじめるのだけど、あまり継続できない人間なのですぐやめてしまう。ブログに書くネタもないので、突拍子もない夢をみたら、また書こうかななんてふと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 そういえば今日はルパパトの最終回だった。

 明日あたりに感想を書きたい。あとコンビニを辞めたので、三年間で面白かった客選手権などをやりたい。

*1:別作者でコミカライズされ、縦長ではなく普通のコマ割りの漫画も存在する。タイトルは「ホリミヤ」になっていたと思う

*2:堀さんと宮村くんの略称

*3:堀宮に出てくる生徒会長