もちもちの猫のほつれた右手

だいたい付き合っているヒモの話 不定期更新

同居人の話

喧嘩というかもうどうにもできない辛さを吐き出して、呪詛を書いていた時はあまりにも病んでいたなあと思う。内容は数ヶ月経った今でもだいたい変わらない。全然解決してない。

でも今も愛している、どうしようもない人だけど。月並みな言葉で言えば、彼が好きだし、愛しているって、なんの後ろめたさもなく言える。

 

ヒモ氏との関係の名前が恋人から同居人になった。

私から別れを切り出した。

同居はまだ続くつもり。お金ないしなー。

 

この話は別れて一週間とちょっとした矢先に書いている。投稿してる日はまた別かもしれないけれど、一週間でもう書けるのか、という思いでしかない。

当日あんなに泣いても次の日にはお腹がすいたし、出かけにも行けた。いつものようにメイクして髪をセットして、充電器から携帯を外して、香水を振って外に出た。

冬の風を頰に受けながら、起き上がれないくらいつらいことなんてなかったんだな、って思った。どんなに辛くても悲しくても、こんなものなのかって。一週間もすれば薄れていくんだって。振り返るまでもなく寂しかった。自分のことを薄情だと思った。ショーウィンドウに映る私は目が腫れて死ぬほどブスだった。

 

今日、これを書いている日に会社の人と家賃の話になって、そこから同居人の話になり、その人やめたほうがいいよって言われた時に今しかないだろう、今言わなかったらもう言えないだろうと思ってしまった。

でも聞いて、そうかもしれないけれど、別れました、この前。って言ったらすごく驚いた顔をして、

だから同居人って言ってたのかーそういうポリシーの人なのかと思ってた、なんて、どうでもいいことを口走っていた。

 

それはそういうポリシーなんですけど。

まあいいや。

 

青森から出てきて、実家にも帰れなくて、あの家を追い出されたら、あの人どこにいくんだろ。

なんて会社の人の前で言ってしまった。その下りでしばらく話して、会話の最後に、会社の人に初めて言いました。現実味を帯びてきましたね、なんか、って、またいらないことを話してしまって。

 

そんな話が自然とできてしまって。

誰かに、例えば会社の仲良い先輩とか、そのレベルの少し離れた関係性の人に、別れたことを言える。それくらい、自分の中でそれが事実として落ちてきたんだな、と思った。それを止められなかった。それも一週間でできるんだって愕然とするね。本当に改めて書くと。

今もびっくりするほど普通に生きている。普通に働いて普通にご飯を食べて普通に寝ている。

 

でも今日話してみて思ったのは、いまでも同居人のことをあまり悪く言いたくない。ロクでもない人だと思って欲しくないんだな、って思った。

ヒモを育てちゃうダメな女みたいな、そういうキャラで通したほうがいいのかなって思ってついつい悪く言っちゃってその度に辛くなる。

本当は誰にもあの人がダメな人間だと思って欲しくないよ 生きるのがちょっぴり下手なだけ。優しくてかっこよくて、甘えたで賢い、大きな犬だよ。

 


抱きしめられるとまだ涙は出るけれど、関係を戻そうとは思わない。ギュってしてくれないんだねって言われて初めて抱きしめ返してあげなかったことに気がつく、それくらい、すこしだけ気持ちは離れて落ち着いてきた。

でももう、それは私の問題でしかないけれど、なんども試した結果、解決策を出すことすら億劫になってしまった。彼との対話に、もう疲れてしまった。この先なんども少しだけ真剣な話をしようとするたびに何もできないんだと思うと、いや、声を出せばいいだけなんだけどもう君が怖くなってしまった私のせいだけどさ。君と話し合うことができない辛さにもう耐えられないよ。

 

全部私のせいで、君のせいなんかじゃないよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

どんな日だったか全然覚えていないけれど、言われたことはよく覚えている。私は切り出す前から泣いていた。本当は少しでも泣いたり怒ったり、喚いたりしてくれたら、私だって諦められたのかもしれない。でも君は理性的で優しいから、すこしだけ悲しい顔をして抱きしめるだけで、引き止めてなんてくれなかったね。


君が君の幸せのために旅立つというのなら 俺は止めないよ。

口に出すということは、なにか考えがあるんだろうし。

うんまあ、(そんなに泣くほど辛いなら)無理しなくてもいいんじゃないかとは、思うけど。

でも君は家族だから。

 

でも俺は。

君がいなくなったら寂しいよ。

 

 

 

私も君のことを家族だと思っていて、きっとそれだけは一生変わらないんだと思う。唯一他人の家族。だから、きっと私がいなくても、幸せになってほしいと心から願えるよ。身勝手でごめんね。

 

ああでもまだ、半身がなくなったかのように辛いんだなあ。いつか銀色の球体のようだと言われた私たちが。私の一部が欠けていると、そう思える。

それだけは少し、嬉しい。