もちもちの猫のほつれた右手

だいたい付き合っているヒモの話 不定期更新

本格的に自分がよくわからない

結構前から名前(※本名)を名乗った瞬間、そんな名前だったっけ、みたいな違和感を覚えるようになったが、最近はそれが顕著すぎる。

この前パスポートを取りに役場に行ったんですけど、役場の人に

「お名前は深沢りこさんでまちがいないですよね?」

「まちがいないです」

といいつつ、深沢りこって誰だよとずっと思っていた。最近は引っ越す関係で名前を確認されることが多くて、病院とかでも名前を呼ばれるたびに返事をするけれど、それは誰なんだろうといつも思う。

同時に、

『初めて深沢りこという名前をつけられて呼ばれた』

ような錯覚を覚える。

飼い犬に名前をつけるような気軽さで名前をつけて呼ばれた、呼ばれ続けるからそれを名前と認識した、みたいな、そんなかんじ。

 

この感覚を名前で呼ばれるたびに思う。

深沢、でもりこ、でも深沢りこ、でも全部同じであるが、強いて言うなら深沢という名字が一番しっくりこない。名字がしっくりこないのは小学校から感じていた気がする。高校の時はすでに名前の違和感を感じていたと思う。

 

そのうち深沢りこって誰ですか?とか口に出さないように最近は必死だ。

 

鏡を見ても知らない顔がある、と思ってぎょっとすることがある。すぐにああ自分の顔だ、と思うのだけど、自分ってこんな顔だったっけ?としばらく悶々とする羽目になる。

化粧をしてもしなくても割とそうなるのであまり関係ないと思う。

 

という話を同じ経験を誰かしてないだろうかと思って話すと大概黙られるので多分変なんだろうなって思うし、変だなって思うので話す相手は選んでいる。

 

私は一体誰なんだ。